こんにちは。
今週も新進気鋭チームの活躍が目立つLCK Week2の振り返りを、インタビュー記事2つと併せて行っていこうと思います。
※以下、試合結果のネタバレを含みますのでご注意下さい。
Week2 順位表
順位 | 前週順位 | チーム名 | 勝-敗(シリーズ) | 勝-敗(ゲーム) |
1 | 1 | Griffin | 4-0 | 8-0 |
2 | 1 | SANDBOX Gaming | 4-0 | 8-1 |
3 | 1 | SK Telecom T1 | 3-1 | 7-3 |
4 | 1 | DAMWON Gaming | 2-2 | 5-4 |
5 | 7 | Kingzone DragonX | 2-2 | 4-4 |
6 | 5 | Hanwha Life Esports | 2-2 | 4-5 |
7 | 6 | KT Rolster | 1-3 | 3-6 |
8 | 7 | Gen.G | 1-3 | 3-7 |
9 | 7 | Afreeca Freecs | 1-3 | 2-7 |
10 | 7 | Jin Air Green Wings | 0-4 | 1-8 |
Week2終了時の順位表がこちらです。
Week1終了時点では上位と下位でくっきり分かれており、韓国では順位表左側の上位5チームを”西部”・右側の下位5チームを”東部”と呼ぶ事もありましたが、Week2では西部同士、東部同士の試合が複数あったため、順位表のグラデーション化が進みました。

※参考画像:Week1終了時の順位表
順位表からも分かる通り、現在のLCKパワーランキングは
GRF>SB>中位チーム(SKT、DWG、KZ、HLE)>下位チーム(KT、GEN、AF)>JAG
と考えられるでしょう。
※SBはGRFと同じく全勝ですが、同等の強さかは直接対決を見てみないと判断しかねるため、暫定的に1段階下と評価しました。
SBの躍進はもちろん、2018 WCSに出場した3チームが下位に甘んじている事からも、先週に引き続き世代交代を強く感じさせる結果となっています。
さて今週のインタビュー記事は、「唯一、西部昇格を果たしたKZ編」と「今シーズンのダークホースであるSB編」でお送りします。
KZ PawN – AF戦(1/26)後のインタビュー
元記事:http://www.inven.co.kr/webzine/news/?news=214254&game=1368
Q.2勝目おめでとう。今日の試合に勝利した感想は?
PawN:AFの選手達と因縁が深い。Ucalと僕は同じくKT出身のMIDレーナ―だし、TusiN兄さんが対戦相手であるAF出身なので面白い構図だった。それでKT戦と同じ位頑張って勝たなくちゃいけないと思っていた。
Q.前の試合(KT戦)と今日の試合で心底勝利を望んでいた理由は?
PawN:KT戦は僕達が0勝2敗という状態だったので、1勝に必死だった。どの試合も重要だけど、競争心からか以前に所属していたチーム・チームメイトと対戦する時はより熱が入る。KT所属だった時、僕とUcalは同じMIDレーナ―として活動していたので尚更。AFがDeftを獲得しようとしていたのに僕のせいで逃したという噂があったけど、そういった背景からも僕がUcalより優れているというのを見せたかった。
Q.誕生日を迎えて勝利もした。どんな予定がある?
PawN:今日、誕生日が過ぎる前にケーキを食べる予定。あと、今日の勝利があって休暇を貰えるので一層気分が良い。
Q.AFが前の試合と同様、2人のJGを起用してレーンスワップを試していた。どうやって対処するつもりだった?
PawN:SpiritがBOTレーンでGENを相手に勝った事を既に見知っていた。もう一度同じ戦略を使ってきたら、僕達が十分対処出来ると考えていた。そして強力なピックを渡したDeft相手には、ADCを使わない以上BOTレーン戦で耐えられないと思っていた。
Q.最近、アカリを上手く使う事が強いチームの必須条件だが、アカリに対する自信はどの位?
PawN:僕はいつでも、アカリ/
アーゴット/
エイトロックスのようなバンされているOPチャンプを上手く扱う事が出来る。(試合では)見せられなかったけど、スクリムではキャリーしている。違うチャンプを使う機会があれば、もっと良いプレイを披露したい。
Q.2連敗の後、2連勝を記録したが、その間変わった点があるなら?
PawN:TOPサイドの選手達がプロの舞台から長らく離れていたので、適応する期間が必要だった。この前の2試合が僕達が適応するための期間だったと思う。その後の試合では、TOPサイドで押されることはなかったけど、これからどんどん進歩したい。GRFとSBにも勝つ姿をお見せしたい。
Q.過去の全盛期と比べて、どれ位調子が戻ってきたと思う?
PawN:2017 KeSPA Cupの時の僕が一番上手かったと思っている。あの時期を基準に、フィジカル的には60%は回復したと思う。僕が5ヵ月程LoLをしていなくてフィジカルは落ちたけど、考える事に関してはもっと上達した。SoloQを一生懸命回してフィジカルも回復したい。
Q.Naehyunがどんな選手で、PawN自身のフィジカルを取り戻すのに助けになってるか?
PawN:僕には2015年からサブ選手がいた。スタメン競争はあまり念頭に置いていない。より上手い選手が出場する訳だから。そしてNaehyunは安定的なスタイルを駆使する。1v1の練習も出来てとても助けになっている。
Q.最後に一言。
PawN:いつも手助けてしてくれる事務スタッフ・マネージャー・コーチ/監督の皆さんに感謝している。僕がいつもセッティング関連でたくさんの要求をする中、よく聞き入れてくれる。こうやって勝利出来たのもこの方々のおかげ。あと、昨日ファン達から誕生日プレゼントをたくさん貰ったけど、忘れずに送ってくれてとても感謝している。ファン達がいたからこそ、僕がこうやってまた立ち上がる事が出来た。
以上がKZ PawNのインタビュー内容です。
先週僕はKZに対して「現状一番期待外れなチーム」と評しましたが、ここに訂正いたします…
Week1時点でのKZのプレイは確かに不安しかなかったものの、敗北を喫したのは現時点でどちらも全勝のGRFとSBだった訳ですから、今となっては”仕方ない負け”と捉えるべきでしょう。
また今回のインタビューを受けているPawNを初め、Rascal・Cuzzのパフォーマンスが向上しているのも好材料です。
特にPawNは、先のKeSPAからマルザハール/
アーゴット/
サイオン/
ゾーイのようなセーフプレイが可能なピックが目立っていた中、
アカリという難易度の高いチャンプでしっかり役割を果たしており、攻撃的なピックも十分扱える事を示しました。
そして奇策を以ってGEN戦に勝利したAFに対して、わずか2日の準備期間でしっかり対策を講じてきた監督/コーチ陣の貢献も大きかったと思います。
※AF戦1試合目のバンピックの様子
AFの構成の要はディーラーを使うKiin、そしてKiinがダメージを出せるよう場作りをするチャンプ達。
AFがGEN戦の3試合全てでピックしたラカンを優先的にバンし、相手のイニシエート手段を削ぎます。
(AFがイニシエート手段を重要視している事は、GEN戦でプレデターアニーをピックした事からも分かる通りです。)
更にAFのモルガナBOTを読み、
彗星ポークヴァルスでレーンの主導権を握る狙い。
脅威ヴァルスは長射程の高火力ハラススキルを持つため、アンチBOTメイジとしての役割を持ちます。
他にも、AFが重用していたカミールJGには序盤から1v1で有利な
ジャックスを当て、Kiinを育てる事が前提のAFに対してTOPサイドでの戦闘に関与しやすい
タムケンチ/
シェンをSUPに置くなど、このシリーズのKZは色んな側面から対策を講じていた事が分かります。
SB Summit – HLE戦(1/26)後のインタビュー
元記事:http://www.inven.co.kr/webzine/news/?news=214265&game=1368
Q.連勝街道まっしぐらで上位圏をキープしている。今日の試合に勝利した感想は?
Summit:試合する度、全ての相手チームが強いと思っていたけど、こうやって連勝する事になって気分が良い。今日も同じ気分だ。
Q.1位GRFと同じく4連勝を挙げている。今の雰囲気の原動力は何だと思う?
Summit:僕達のチームだけのスタイルを確立した。僕達のやりたいプレイを「失うものはない」という心構えで行った所、上手くいったと思う。
Q.以前の試合に引き続き、ダリウスをピックした。ダリウスに対してどう評価してる?
Summit:相手のピックしたチャンプ次第でいつでもピック出来るチャンプだと思う。まずレーン戦が強力で、意外と集団戦のアグロピンポンも良い。ダメ―ジ/タンク能力がどちらも優秀だと言える。
Q.序盤のインベードで1デスから始まった。どうやって危機をはね返そうとした?
Summit:フラッシュが落ちてデスまでして、本当に良くないスタートだった。それでも「アーゴットに勝てる、攻撃してみよう」という心構えで臨んだ。
Q.次の試合でDWGと対戦する。Nuguriとのマッチアップについて予想してみるなら?
Summit:Nuguriのレーン戦と個人のフィジカルはLCK内で最高だと思うので、僕もしっかり準備して押されないように頑張りたい。
Q.来週はGRF戦も控えている。今シーズン一番の山場だと思うが?
Summit:これまでの対戦相手達も、僕達を強いチームだと認識しているにも関わらず勝つ事が出来た。これまで通りの試合が出来れば、どちらのチームも勝てると思う。
Q.12月にチームに合流して1ヵ月で、サブ選手から上位チームのTOPレーナーに生まれ変わった。周りからの関心を実感する?
Summit:実感する。その分期待も大きくなるにつれて、プレッシャーと責任感が生まれる。それでも全部抱えて上手くやってみたい。AFに所属してた時はスタメン出場出来なかったけど、素晴らしい方々と一緒に過ごしてたくさん学べだと思う。AFの時と実力的には大差はない。ただ機会に恵まれなかった。
Q.AFと対戦したらどんな気分になると思う?
Summit:不思議な気分になると思う。今回TusiN兄さんがAF相手に勝利したので、僕も勝ちたい。
Q.自分が思うLCK TOPレーナ―の順位は?
Summit:”Sword–Kiin–Nuguri”の順に並ぶ。僕はまだ中位-下位圏だと思う。
Q.最後に一言。
Summit:チームとスポンサーからたくさんの支援を貰っている。熱心に応援してくれるファン達にも感謝している。もっと頑張って良いプレイ内容で応えたい。
以上がSB Summitのインタビュー内容です。
Springが開幕する前の時点で、「SBがGRFと首位争いをする」と予想出来ていた人達は果たしてどれ位いるでしょうか…
それほどにSBの快進撃は衝撃的でした。
SBの魅力は何と言っても”攻撃性”です。
ピックの段階においても、勝てるマッチアップだと見るやダリウスをピックし
サイオンに粘着し続け、
ドレイヴンor
カリスタ&
スレッシュという超攻撃的なBOTデュオを日常的に使っています。
また、SUPガリオという挑戦的なピックもしており、SBのバンピックにはこれからも目が離せません。
そして、攻撃性に溢れるのは選手も同様です。
キープレイヤーであるJGのOnFleekは特に顕著で、SKT戦 2試合目のファーストブラッドのシーンは「それ反転すんの!?」と顎が外れそうになりました。
同じく上位チームであるSKT相手に負け先行から勝ち切る粘り強さも見せており、2/2 20時から行われるGRFとの直接対決が楽しみでなりません。
まとめ
インタビュー記事も翻訳し終えた所で、今回も残り8チームについて一言二言記しておこうと思います。
GRF (4-0) |
完全無欠のチーム。現状、同じく4-0のSBには”1ゲーム”取る事から期待しなくちゃいけないレベル。 |
SKT (3-1) |
KeSPAでは負けたDWGに借りを返す事に成功。特にClidとTeddyの活躍が光っていて、MVPも全て二人で分け合っている。 |
DWG (2-2) |
Week2はGRF/SKTにあまり良い所なく敗北し0-2。Week3は”同期”であるSB戦があるためそこで力を示したい。 |
HLE (2-2) |
唯一”東部”に降格したチーム。ただ対戦相手がGRF/SBだった上、負けた試合の内容も悪くなくあまり評価は落ちていない印象。 |
KT (1-3) |
Week2は1-1だが勝利相手は |
GEN (1-3) |
KTとほぼ同じ状況。JAGに勝ち、AFに奇策を喰らった。ただ、Ruler–LifeのBOTデュオはLCKトップクラスの強さである事を証明し続けている。 |
AF (1-3) |
Week2のAFを一言で表すなら”エンタメ”。トリッキーな戦略で視聴者を楽しませてくれた。2試合目にして戦略を看破されてしまった中、正攻法と奇策、どちらに舵を切るのかが注目。 |
JAG (0-4) |
五里霧中。GEN相手に1ゲーム挙げたものの、シリーズ通して勝利するのは果たしていつになるのか、見当も付かない。 |
ちょっと辛口な評価もありますが、悪気がある訳ではないのでご容赦ください。
そして、Week3の注目カードはこちら!
・1/30 17時~:DWG vs SB
・1/31 17時~:GRF vs SKT
・2/2 20時~:GRF vs SB
・2/3 20時~:SKT vs HLE
この4試合で上位陣のパワーバランスがはっきりしてくると思いますので、来週のLCKもお見逃しなく!
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